なぜ今「海外不動産投資」なのか?

2025年現在、資産運用の世界では「海外不動産投資」が静かなブームとなっています。一昔前までは富裕層や法人投資家だけの選択肢だったこの手法が、今では年収1,000万円未満の個人にも現実的な選択肢として注目され始めているのです。
背景には、円安の進行、国内不動産価格の高騰、そしてインフレの加速といった経済環境の変化があります。2024年には日本の消費者物価指数(CPI)が前年比で3.2%上昇し、日銀が目標とする「安定的な物価上昇」が現実のものとなりつつあります。このような環境下では、現金の価値が目減りする「インフレリスク」や、円の実質的な購買力低下といった現象が避けられません。
こうした不確実な時代において、「資産を守る」ために求められるのが“通貨・地域の分散”です。海外不動産は、まさにこの分散の要。たとえば東南アジアの一部地域では、日本の3分の1以下の価格で成長性の高い物件を取得でき、同時に米ドルや現地通貨での収入を得ることも可能です。
つまり、今「海外不動産投資」が注目される理由は、単なる高利回りの魅力だけではありません。資産の防衛手段として、そして将来の選択肢を広げるための“戦略的ポジショニング”として、個人投資家の関心が高まっているのです。
第1章:海外不動産投資とは何か?

国内不動産との違い
日本国内の不動産投資は、すでに市場が成熟しており、需給バランスも安定しつつあります。一方で、海外の不動産市場は国によってステージが大きく異なり、成長性の高い“フロンティア市場”や“新興市場”が多く存在するのが特徴です。
さらに、法律、税制、登記制度、ローンの可否など、多くの面で異なる仕組みが用意されており、日本の常識が通用しない点も多々あります。これらは障壁であると同時に、「知っていればリターンに変えられる情報優位性」にもなり得ます。
また、国内では円建てでの収益が基本ですが、海外では外貨での収益獲得が可能になるため、為替ヘッジの一環としての意味合いも強くなります。
どんな人に向いているか?
海外不動産投資は、「ある程度の資金力」と「中長期的な資産形成意欲」を持った人に向いています。具体的には、以下のような方に適しています。
- 円資産の比率が高く、通貨分散を図りたい投資家
- 日本の将来に不安を感じており、海外移住や拠点の分散を視野に入れている人
- インフレ対策として、現物資産への投資を強化したい人
- 節税や相続対策の選択肢を広げたい人
特に40代以降の層では、国内資産だけに頼ることへのリスク意識が高まっており、「備え」としての海外不動産投資に関心を寄せる人が増えています。
海外不動産の種類(コンドミニアム、戸建、商業施設など)
海外不動産と一口に言っても、その種類は多岐にわたります。代表的なものをいくつか紹介しましょう。
- コンドミニアム(分譲マンション)
都市部での投資に適しており、利便性や資産価値の維持がしやすい。タイやマレーシアでは外国人でも比較的容易に所有可能。 - 戸建住宅
郊外や別荘地に多く、長期的な保有や別荘利用を前提とした投資に向く。土地付きであることが多く、資産価値が土地価格に依存する傾向。 - 商業施設・テナント物件
オフィス、店舗、ショッピングモールなど。高い利回りが期待できる一方、テナントリスクや法制度理解が重要。 - リゾート物件・ホテルコンドミニアム
観光地に立地し、ホテル運用型で管理が不要なケースも。インカムゲインと資産価値の両方を狙える。
このように、投資目的とリスク許容度に応じて、最適な物件タイプを選ぶことが成功の鍵になります。
第2章:海外不動産投資のメリット

通貨分散による資産保全効果
2020年代以降、円の価値が大きく揺らいでいます。特に2022年以降の急速な円安は、円建て資産だけに頼るリスクを浮き彫りにしました。たとえば、2021年から2023年にかけて、対ドルで円は約30%も下落。この間、外貨建て資産を保有していた人々は、為替差益という“副産物”も享受できたのです。
海外不動産は、外貨建て収入や資産を形成する絶好の手段。米ドル、シンガポールドル、タイバーツなど、その国の通貨で家賃収入を得られるため、通貨分散を図ることができます。円一本に依存する脆弱なポートフォリオからの脱却が可能になるのです。
高利回りの可能性
新興国の中には、年間利回りが8〜12%に達する物件も珍しくありません。もちろんリスクもありますが、日本国内の不動産利回り(住宅系で平均3〜5%)と比べれば、その差は歴然。例えば、フィリピンの都市部では、経済成長と人口増加により家賃上昇が続いており、中長期的なキャピタルゲイン(値上がり益)も期待できるのが大きな魅力です。
また、都市開発が進むエリアに先行投資できれば、「開発前→開発後」というタイムラグによって2倍〜3倍の値上がり益を享受するケースもあります。
インフレヘッジとしての効果
不動産は「実物資産」であり、インフレに強い性質を持ちます。物価が上がれば、不動産の価値や賃料もそれに応じて上昇するため、資産価値が目減りしにくいのです。特に、インフレ率が高い国では、家賃が年単位で上昇していく傾向があり、物価上昇とともに資産収益も上昇する“連動性”が期待できます。
日本では低金利環境が長く続いていましたが、海外では中央銀行の方針により利上げ→インフレ→家賃上昇の構図が顕著な地域もあります。こうした環境に資産の一部を置くことは、円建て資産を守るためにも有効な手段と言えるでしょう。
節税や相続対策への活用
海外不動産には、日本国内とは異なる税制メリットがあります。例えば、日本国内での減価償却を活用した節税や、現地国の相続税回避などが代表例です。
加えて、日本では不動産相続時に“評価額よりも高い課税評価”がなされやすいのに対し、海外では市場価格ベースでの評価が主流の国も多く、相続税の圧縮が可能になるケースがあります。
これらは制度変更リスクも含むため注意が必要ですが、専門家と連携することで有効な節税戦略を立てることができます。
富裕層が実践する「グローバルポートフォリオ」
資産10億円以上を保有する富裕層の多くが、海外資産をポートフォリオに組み入れています。彼らは「収益性」だけでなく、「リスクヘッジ」や「資産保全」も重視しているのです。
たとえば、以下のような構成が一般的です:
- 日本国内不動産:30%
- 海外不動産(アジア、欧米など):20%
- 株式・債券(国内外):30%
- 現金・流動資産:20%
このような分散型のポートフォリオは、特定の国や通貨に依存しない“資産防衛型モデル”として注目されています。
第3章:海外不動産投資のデメリットとリスク

為替変動による影響
為替レートは日々変動しており、外貨建ての資産を保有する際は為替差損のリスクも無視できません。例えば、家賃収入をドルで得ていても、円高が進行すれば、日本円換算の収入は目減りします。
特に円高局面では「せっかくの収益が相殺される」事態になりかねず、為替予約や分散投資などの対策が必要です。
現地不動産市場の不透明性
日本の不動産市場は比較的透明性が高く、法制度も整っていますが、海外ではそうとは限りません。価格の不透明性や、市場データの信頼性に欠けるケースも多く、投資判断に必要な情報が不足していることも。
また、「言語の壁」や「文化的な慣習の違い」も判断を鈍らせる要因になり得ます。
情報の非対称性と管理の困難さ
現地の物件情報は、必ずしも日本語で得られるとは限らず、情報の“非対称性”が発生しやすいのが海外投資の特徴です。購入後の管理も、現地の管理会社に依頼することが一般的ですが、質の低い業者と契約した結果、家賃滞納や設備トラブルの報告が遅れるといったリスクも生じます。
「自分の目が届かない距離」にある資産を管理する難しさは、国内不動産にはない課題です。
流動性の低さ(売却しにくい)
海外の不動産は、日本と比べて流動性が低いケースが多いです。特に開発が遅れている地域では、買い手が限られているため、「売りたくてもすぐに売れない」という状況になりやすい。
また、現地の売買手続きが煩雑であったり、外国人の売却に制限がある国も存在します。出口戦略を事前に設計しておかないと、長期で資金がロックされるリスクが高まります。
詐欺・不正取引リスクと登記制度の違い
海外では、登記制度や権利証明の仕組みが日本と大きく異なる場合があり、「知らなかったでは済まされない」トラブルも多発しています。
実際に、偽の売主による詐欺、不動産業者と弁護士が結託した二重売買、存在しない物件への投資勧誘などが問題になった事例も。国によっては、登記されていても“所有権が確定しない”場合もあるため、法務的なチェックは不可欠です。
こうしたリスクに対応するためには、信頼できる現地パートナーの存在と、法的デューデリジェンスの徹底が不可欠です。
第4章:カントリーリスクとは何か?

海外不動産投資において、もっとも見落とされがちでありながら本質的なリスク——それが「カントリーリスク」です。これは単なる国単位のリスクではなく、その国の政治、経済、法制度、社会環境など複合的な要因によって生じる不確実性を意味します。
定義と分類(政治・経済・制度・社会のリスク)
カントリーリスクは大きく分けて以下の4種類に分類されます:
- 政治リスク
政権交代、軍事政変、独裁政権による資本規制、外資規制の強化など。たとえばクーデターが頻発する国では、契約の法的効力が不安定になる恐れもあります。 - 経済リスク
インフレ率の急上昇、通貨価値の暴落、財政破綻の懸念など。トルコやアルゼンチンなどでは年数十%のインフレが進行しており、不動産価値が為替に連動して大きく変動します。 - 制度的リスク
税制の改定、不動産所有権に関する法令の変更、外国人投資家に対する制限強化など。急な制度変更は、投資計画に甚大な影響を与える可能性があります。 - 社会的リスク
暴動やデモ、治安悪化、宗教・人種対立などが該当。特に政情不安が続く国では、資産の安全性自体が脅かされます。
実際に起きた事例(例:アジア通貨危機など)
過去の事例を振り返ると、1997年のアジア通貨危機が象徴的です。タイを皮切りにインドネシア、マレーシア、韓国などで通貨が暴落し、多くの外国人投資家が不動産や企業資産を大幅に目減りさせる結果となりました。
また、2013年のキプロス金融危機では、銀行預金の一部が没収され、外国人投資家も資産凍結の対象に。これらはすべて「想定外」の出来事として、多くの投資家のポートフォリオを直撃しました。
税制・法制度の変更リスク
税制は、その国の財政状況によって柔軟に、かつ突然変更される場合があります。たとえば、かつて非課税だった不動産譲渡益が課税対象となったり、外国人投資家への追加課税が実施されたりする例は枚挙にいとまがありません。
また、登記制度の変更により、所有権の確定条件が変更される事例も。こうした制度的変更は、投資家にとって見えにくい“静かな爆弾”とも言えるリスク要素なのです。
第5章:カントリーリスクの具体的なヘッジ方法

海外不動産投資は、リターンだけでなくリスクのマネジメントが成否を分けます。ここでは、カントリーリスクにどう備えるか?という具体的な対策を一つひとつ解説していきます。
投資国・地域の分散戦略
第一に重要なのは、「一国集中を避けること」。アジアだけに集中するのではなく、北米、欧州、中南米といった地域に分散することで、地域ごとの政治・経済の影響を抑えられます。
例えば以下のような分散例:
- フィリピンの住宅物件(成長期待)
- ドイツの商業ビル(安定収益)
- アメリカの戸建(キャピタル狙い)
複数の市場にまたがる投資により、カントリーリスク全体を低減できます。
通貨の分散(ドル、ユーロ、アジア通貨など)
通貨も同様に重要です。円、米ドル、ユーロ、シンガポールドル、バーツなど複数通貨建ての資産を保有することで、為替変動リスクを抑制できます。
具体的には、物件購入・家賃収入・運用コストを異なる通貨で管理することで、為替の偏りによる損失を防げます。
現地の信頼できる専門家との連携
海外投資の成否は、「誰と組むか」で決まると言っても過言ではありません。現地の弁護士、不動産エージェント、会計士との連携は必須です。言語・文化・制度のギャップを埋めてくれる信頼できるプロフェッショナルを選ぶことが何よりのヘッジになります。
ポイントは、「紹介だけで選ばない」こと。複数の専門家を比較し、過去の実績や報酬体系を透明に提示してもらうことが重要です。
保険や保証制度の活用
万が一に備えた保険への加入も有効な手段です。たとえば、
- 賃貸保証保険(空室リスクに備える)
- 火災・災害保険(自然災害や損壊対策)
- タイトル保険(所有権の保全)
などがあり、保険料はコストではなくリスクヘッジの“投資”と捉えることが重要です。
法制度や登記制度のチェックリスト
投資前に確認すべき法制度チェックリストを持つことは、トラブル回避の基本です。
チェックすべきポイント例:
- 外国人が不動産を保有できるか?
- 登記にかかる費用・期間・手続きの複雑さ
- 所有権と借地権の区別
- 賃貸契約の法的拘束力
チェックリストを体系化しておくことで、感情的な判断を避けられます。
詐欺・トラブルを避けるための事前確認ポイント
最後に、詐欺やトラブルを避けるために最低限押さえるべきポイントを整理します。
- 不動産会社のライセンスと運営年数を確認
- 所有者情報が登記と一致しているか確認
- 契約書は日本語訳を依頼し、弁護士にレビュー依頼
- 必ず現地視察 or 信頼できる第三者による現地確認
これらを怠ると、数百万円〜数千万円の損失に直結することも。「確認はコスト」ではなく、「確認しないことが最大のリスク」と心得るべきでしょう。
第6章:アジア市場の可能性とリスク

人口増加・経済成長が著しい国々(フィリピン、ベトナム、インドネシアなど)
東南アジア諸国は、人口ボーナスと経済成長のダイナミズムが重なる注目の地域です。例えば、
- フィリピンは、2023年時点で人口約1億1,300万人、平均年齢24歳。今後30年以上にわたり労働人口が増加すると予測されており、不動産需要の長期的な支えになると見られています。
- ベトナムは年率6〜7%の経済成長を維持し、製造業・輸出主導型の経済で外資導入も積極的。都市部を中心に、中間層の拡大が住宅購入ニーズを押し上げる動きが強い。
- インドネシアはASEAN最大の人口(約2億7,400万人)を抱え、ジャカルタやバリ島などで観光・商業の再開発が進行中。観光インフラと都市インフラの融合型開発が不動産市場の活性化に寄与しています。
このように、人口増加と都市化の波が同時に押し寄せる市場では、住宅需要・地価上昇の余地が大きいため、長期投資の魅力が際立ちます。
現地不動産市場の実態と将来性
これらの国では、不動産価格が右肩上がりというより、波を打ちながら成長しているというのが実情です。たとえば、フィリピンのマニラ首都圏では、2010年から2020年の10年間で住宅価格が約2倍に上昇しましたが、コロナ禍で一時的に価格調整が入り、2023年から再び上昇基調に戻っています。
ベトナムでは、外国人による不動産所有に制限がある一方で、政府が特区開発(例:トゥーティエム新都心)を進めており、中長期的には規制緩和と都市成長がリンクする好循環も期待できます。
インドネシアは、法制度や不動産登記制度にやや不透明な面もありますが、観光特区や国際空港周辺の再開発が急ピッチで進んでおり、海外投資家の注目が高まっています。
国ごとのカントリーリスク比較と評価
下記に、アジア主要国のカントリーリスクを簡易評価してみましょう(2025年現在の投資環境を想定)。
国名 | 政治リスク | 経済リスク | 法制度リスク | 社会的安定性 | 総合評価(5段階) |
---|---|---|---|---|---|
フィリピン | 中 | 中 | 低〜中 | 中 | ★★★★☆ |
ベトナム | 中 | 低 | 中 | 中 | ★★★★☆ |
インドネシア | 中 | 中 | 高 | 中〜低 | ★★★☆☆ |
タイ | 高 | 中 | 中 | 中〜高 | ★★★☆☆ |
マレーシア | 低 | 低 | 低 | 高 | ★★★★★ |
※評価は筆者による総合的な相対比較です。
高成長国ほど制度リスクが残るため、リターンを追うなら情報と慎重な分析が不可欠。反対に、制度が整っている国は利回りが控えめでもリスクが抑えられます。「攻め」と「守り」をうまく使い分けるのがアジア投資の極意です。
第7章:移住と税制・年金の関係

海外移住先としての魅力と注意点
コロナ禍以降、「海外で暮らしながら投資をする」というライフスタイルに注目が集まりました。特に東南アジア諸国は、生活費が日本の半分以下、温暖な気候、フレンドリーな国民性などが魅力で、リタイアメント移住先としても人気です。
- マレーシア:MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)制度により長期滞在が可能。インフラも整備され、英語も通じやすい。
- タイ:リタイアメントビザ制度で50歳以上の日本人が長期滞在可能。医療インフラやサービス業も優れており、特にバンコクは日本人にとって住みやすい都市。
ただし、移住には「ビザ要件」「医療制度」「教育制度」「治安」などの確認が不可欠。また、長期的には政治制度の安定性も見極める必要があります。
移住による税務リスク(非居住者課税、二重課税など)
日本では、「住所または1年以上の居所」があると日本の居住者扱いとなり、全世界所得に課税されます。しかし、移住によって非居住者になると、日本国内源泉所得以外は課税対象から外れることに。
ここで注意すべきは以下の2点:
- 二重課税:滞在国と日本の両方で課税される可能性があるため、「租税条約」の有無や内容を確認する必要あり。
- 資産移転時の課税:移住前に行う贈与や資産移転は、税務上の特例や確認事項が多く、事前のプランニングが不可欠です。
移住=節税と捉えるのは早計であり、むしろ誤った設計は後に大きな税務トラブルを引き起こすリスクがあります。
年金受給と税制の関係(例:マレーシア、タイなど)
日本の公的年金は、海外在住者でも「日本国内の口座で受け取り可能」です。受給権は基本的に居住地にかかわらず維持されますが、税務面では以下のような注意点があります。
- マレーシア:年金収入は非課税。これは大きな魅力の一つであり、多くの日本人移住者がこの制度を評価しています。
- タイ:原則として課税対象ではあるものの、実務上は課税されていないケースもあるため、現地税務当局との確認が必要です。
また、日本国内で年金を受け取る場合、所得税(源泉20.42%)がかかるため、確定申告による還付や外国税額控除の手続きが必要となる場合もあります。
第8章:海外不動産を活かした資産運用ポートフォリオ戦略

海外資産と国内資産のバランスのとり方
資産運用において、「偏り」はリスクそのものです。日本に住んでいるからといって、日本の不動産や円資産ばかりを保有していると、経済・人口・通貨すべてが一国に依存する“集中投資”の状態に陥ります。
そこで必要なのが、海外資産とのバランスを取った“地理的分散”です。理想的な比率は個々の資産規模やライフプランによりますが、以下のような配分が現実的なスタート地点となるでしょう。
- 国内資産(不動産・株式・預貯金):60〜70%
- 海外資産(不動産・外国株・外貨預金など):30〜40%
特に、長期保有が前提となる海外不動産は“安定性重視”の資産区分に位置づけられるため、成長性を求めつつもリスクをコントロールしたい層にフィットします。
長期視点で見る分散投資の重要性
短期的な価格の上下に一喜一憂するのではなく、「10年後に資産全体がどれだけ守られているか」という長期目線が、海外不動産投資の要です。
例えば、2025年現在、円安・物価上昇が続いていますが、過去10年を見ても、円はドルに対して約30%下落しています。つまり、国内資産だけでは実質的に資産価値が目減りしている可能性があるということ。
海外不動産を活用した分散投資は、このような長期的な通貨リスクやインフレリスクを緩和し、“守りの資産形成”としての役割を果たすのです。
富裕層の成功事例から学ぶ
多くの富裕層は、海外不動産を“攻めの投資”ではなく、“保全と出口戦略のある投資”として活用しています。
実例として、ある60代の経営者は以下のようなポートフォリオを構築しています:
- 東京の商業不動産:30%
- ハワイのコンドミニアム(賃貸運用+リタイア後の拠点):20%
- ベトナムの新興住宅エリア(中長期キャピタル狙い):10%
- 海外インデックスファンド・外貨建て資産:30%
- 流動性確保のための現預金:10%
このように、「人生のステージに合わせて、資産をどこに置くか」を戦略的に考えることで、資産の成長と保全を両立することが可能になります。
まとめ:海外不動産投資で成功するために必要な「視野」と「準備」

海外不動産投資は、単なる利回りの追求ではなく、“生き残るための資産戦略”であると言えます。
カントリーリスクを制する者がグローバル投資を制す
高利回りを狙うあまり、法制度や政治状況を見落とせば、思わぬリスクに巻き込まれます。カントリーリスクの分析と管理こそが、グローバル投資の土台であり、ヘッジの巧拙が結果を大きく左右します。
「知っていたかどうか」が命運を分ける
成功する投資家と失敗する投資家の違いは、「情報を得ていたか」「確認を怠らなかったか」という、準備の段階に集約されます。
- 契約前の現地視察
- 現地制度の調査
- 通貨・税務・保険の多面的確認
これらを「手間」ではなく「当然のステップ」として実行できるかが、未来の自分を守る力となります。
今日からできる準備と行動チェックリスト
最後に、すぐにでも始められる準備リストを整理しておきましょう。
- ✅ 海外不動産に関する基本知識のインプット
- ✅ 投資候補国の制度・通貨・治安などのリサーチ
- ✅ 自分のポートフォリオ内における海外資産の比率検討
- ✅ 海外不動産セミナーや現地視察の予定立案
- ✅ 信頼できる専門家(弁護士・不動産業者など)の情報収集
“慎重かつ前向きな姿勢”こそが、海外投資成功への最短ルートです。

ファイナンス専門ライター / FP
資産運用、節税、保険、財産分与など、お金に関する幅広いテーマを扱うファイナンス専門ライター。
金融機関での勤務経験を活かし、個人投資家や経営者向けに分かりやすく実践的な情報を発信。特に、税制改正や金融商品の最新トレンドを的確に捉え、読者の資産形成に貢献することを得意とする。