資産形成を本格的に始めたい、あるいは老後を見据えて着実にリターンを得たい――。そう感じている読者の皆さんにとって、「高配当REIT(リート)」という選択肢は、非常に現実的かつ魅力的な投資対象です。
2025年の今、国内外の経済環境は大きく動いています。日銀の金融政策が長らく続いた超低金利からやや正常化に向かい、同時に物価上昇や海外の高金利環境にも直面する中、「安定的な収益源」としてのREITの重要性が再評価され始めています。
とりわけ、高い分配金利回りを誇るREIT――つまり「高配当REIT」は、インカムゲインを重視する投資家にとって、預金や国債とは異なる“生きた”選択肢となり得るのです。
REIT(特に国内・東証REIT指数/J-REIT)の基本概念と配当の仕組み
REITとは、「Real Estate Investment Trust(不動産投資信託)」の略称です。簡単に言えば、複数の投資家から集めた資金で商業ビルやマンション、物流施設、ホテルなどの不動産を購入し、その賃料収入や物件売却益を、分配金として投資家に還元する仕組みのことです。
中でもJ-REIT(日本版REIT)は、東京証券取引所に上場しており、株式と同様に市場で売買が可能です。上場REITは現在60銘柄を超えており、東証REIT指数(東証REIT Index)として全体の動向も可視化されています。
REITの大きな特徴は「利益の90%超を分配に回すことで法人税が免除される」という税制優遇。これが、REITが高い分配利回り(=高配当)を実現できる最大の理由のひとつです。
2025年のマクロ環境(日本の金利動向、不動産市況、REIT市場の最新データ)
2025年現在、日本銀行は段階的な金融正常化を模索しており、ゼロ金利からの緩やかな出口戦略が進行中です。長期金利は2024年後半にかけて0.7%前後まで上昇し、2025年初頭には1%台に乗る場面も見られました。
このような金利上昇局面では、REITにとって「借入コストの上昇」「物件評価額の下落」など負の影響もありますが、一方で“利回り水準の相対的な魅力”が再評価されるタイミングでもあります。
2025年3月時点での東証REIT指数の平均分配金利回りは約4.3%とされており、日本国債10年物の利回り(約1.2%)と比較しても、依然として魅力的なイールドスプレッド(約3%)が確保されています【参考:東証REIT指数・日銀統計】。
また、不動産市況も堅調を維持しています。特に物流施設や都市型オフィスビル、高付加価値レジデンスなどは依然として高稼働率を保っており、REIT運用の安定性にも好影響を与えています。
高配当を狙うメリット・リスクの整理
高配当REITの魅力はなんといっても、安定したインカム収入(分配金)が見込める点です。仮に年利回り4.5%のREITに1,000万円を投資した場合、年間45万円の不労所得が期待できる計算となります。
しかもREITは株式や投資信託と異なり、実物資産(不動産)を間接的に保有する形であるため、インフレ局面にも比較的強いとされています。賃料が上がれば収益も上がるため、物価上昇が分配金に好影響を与える可能性もあるのです。
ただし、もちろんリスクも無視できません。利回りだけに惹かれて投資すると、「実は空室率が高い物件ばかり保有していた」「スポンサー企業の財務基盤が脆弱だった」といった落とし穴もあります。
REIT投資は“中身を知ってこそ”本領を発揮する――この視点を持って臨むことが何より重要です。
高配当REITを選ぶためのチェックポイント
「高配当だから安心」――この考え方、実は非常に危険です。分配金利回りが高いこと自体は魅力的ですが、その裏にある「なぜ高いのか」を正しく読み解かなければ、本来避けるべきリスクに足を踏み入れてしまう可能性があります。
REIT選びにおいては、利回りという“表面”だけでなく、投資対象不動産の中身、運用体制、資金調達状況、スポンサー企業の信用力など、“内面”にも注目することが不可欠です。ここでは、初心者の方でも理解しやすい視点から、重要なチェックポイントを順を追って解説していきましょう。
分配金利回りの見方:「分配金÷投資口価格」の理解
まずは基本中の基本である「分配金利回り」について整理しましょう。
これは、REITの1口あたりの年間予想分配金を、その時点の投資口価格で割った数値です。たとえば、年間予想分配金が5,000円、投資口価格が100,000円の場合、分配金利回りは5%という計算になります。
しかし、ここで注意すべきは、「利回りが高い=良いREIT」とは限らないこと。利回りが急上昇している場合、それは「分配金が増えたから」ではなく、「価格が下落しているから」かもしれません。
つまり、価格が下がる理由が「市場全体の下落」ならまだしも、「そのREITに対する不安や業績悪化」が背景にある場合は要注意です。利回りの高さの裏には、必ず理由がある。その理由を見極める視点が、堅実な投資の第一歩になります。
資産の質(物件タイプ・立地・稼働率)・運用会社・スポンサーの評価
REITが保有する「不動産の質」は、将来的な安定収益に直結します。以下のような要素をチェックしましょう:
- 物件タイプ:オフィス、商業施設、物流施設、住宅、ホテルなど、それぞれ異なる特性と景気感応度があります。たとえば、物流REITはコロナ禍以降堅調に推移しており、安定的な分配を維持している傾向があります。
- 立地:都市圏中心部や駅近など、需要が見込まれるエリアに立地しているかは重要です。地方都市で高利回りを狙っていても、稼働率が低ければ長期的に分配金が減少する可能性があります。
- 稼働率(稼働物件比率):90%以上を維持しているREITは一般的に安定性が高いとされます。物件の空室率が高いと、賃料収入にダイレクトに影響するため、分配金の継続性が損なわれかねません。
- 運用会社・スポンサーの実力:REITを実際に運用するのはアセットマネジメント会社であり、その親会社(スポンサー企業)の信用力や実績も大きな判断材料になります。たとえば、大手不動産会社や金融機関がスポンサーの場合、資金調達や物件取得の面で有利に働くことが多いです。
金利変動・借入コスト・物件評価の下落リスク・空室リスク・流動性の観点
REITは不動産を大量に保有する性質上、多くの案件で借入(レバレッジ)を活用しています。このため、金利が上昇すれば借入コストが増え、分配金に悪影響が出る可能性があるのです。
たとえば、固定金利の借入をしていれば短期的には影響を受けにくいですが、返済期間終了時に再借入を行う際に金利が上昇していれば、その影響は避けられません。
また、景気後退や需給バランスの悪化により、不動産価格が下落する可能性もあります。REITの保有資産評価額が下がれば、時価純資産(NAV)との乖離が大きくなり、市場価格も下押しされやすくなります。
空室リスクも見逃せません。特にホテルや商業施設REITなどは景気の影響を受けやすく、コロナ禍でも多くの銘柄が打撃を受けました。
さらに、REITは株式などに比べて出来高が少ないため、流動性の面でもやや注意が必要です。売りたいときに売れない、価格が急変する、といった事態も想定しておきましょう。
初心者でも理解できる「安心できるREIT」の条件
高配当REITを選ぶ際、初心者がまず意識すべきポイントは、「派手さよりも安定性」です。以下のような条件を満たしているREITであれば、比較的安心して投資に踏み出せるでしょう。
- 分配金の推移が安定している(できれば3年以上減配がない)
- 資産規模が大きく、保有物件の数やエリアが分散されている
- スポンサー企業が財務的に健全である
- 借入比率(LTV)が50%未満で、自己資本比率も高め
- 稼働率が高く、直近の空室率も低水準で安定
- 投資対象が物流施設や住宅など、景気の影響を比較的受けにくい分野である
こうした条件を備えたREITは、長期保有に向いており、配当収入を得ながら中長期で資産を形成したい方にとって、強い味方になってくれるでしょう。
2025年最新版:高配当REITランキング TOP10

選定基準の説明(対象期間、利回り基準、財務健全性、運用実績など)
まずは、ランキングを公正かつ読者にとって意味のあるものにするために、以下のような選定基準を設けました。
- 対象期間:2025年8月末時点までに公表された予想分配金利回りをベースに評価。例えば、資料によれば「産業ファンド投資法人(コード3249)が予想分配金利回り6.34%」というデータがあります。 ダイヤモンド社+2Japan REIT+2
- 利回り基準:明確な「高配当」と言えるよう、予想分配金利回りが5%以上を目安にしています。資料ではJ‑REIT市場全体の平均が約5.0~5.5%水準となっており、これを上回る銘柄を中心に採用しました。 トウシル 楽天証券の投資情報メディア+2Nam+2
- 財務・運用健全性:利回りだけでなく、物件の稼働率・借入金利・運用会社の信用・スポンサーの支援体制などを勘案。例えば「物流施設特化で借入率が低め」という説明も資料中にあります。 Japan REIT+1
- 運用実績・市場評価:過去数期にわたって分配金が比較的安定している、あるいは増配傾向がある銘柄を優先。例えば、J‑REIT市場で「前年同月比+9.0%の予想配当額増」というデータもあります。 Nam+1
これらを総合的に勘案して、読者の皆さまが「利回りだけの飛びつきではない」選択肢として参考にできるランキングを作成しました。もちろん、あくまでも“参考”としてご活用ください。投資判断はご自身の資産状況・リスク許容度・保有期間などを踏まえて行うことが重要です。
銘柄別紹介(順位・銘柄名・予想分配利回り・主投資対象・決算月・運用の特徴・リスク)
以下、2025年時点で利回りが顕著に高めの銘柄を10本リストアップします。利回り数値・主投資対象・決算月など、初心者の方にも分かりやすく整理しました。
| 順位 | 銘柄名(投資法人) | 予想分配金利回り(%)※ | 主な投資対象 | 決算月 | 運用の特徴/リスクのポイント |
|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 産業ファンド投資法人(3249) | 約 6.34 % ダイヤモンド社 | 総合型(オフィス等) | 7月/1月 | 高利回りだがオフィス物件中心で景況感の影響を受けやすい。借入コスト上昇リスクあり。 |
| 2位 | インヴィンシブル投資法人(8963) | 約 6.31 % ダイヤモンド社 | 総合型 | 6月/12月 | 利回り高め。だが総合型ゆえに物件複数用途で景気変動リスクあり。 |
| 3位 | サムティ・レジデンシャル投資法人(3459) | 約 6.08 % ダイヤモンド社 | 住宅(レジデンス) | 7月/1月 | 住宅特化で安定性期待。ただ、地域別偏りがあれば空室リスクに注意。 |
| 4位 | ONEリート投資法人(3290) | 約 6.05 % ダイヤモンド社 | オフィス特化 | 8月/2月 | オフィス物件で将来の柔軟性が鍵。テレワーク定着等の影響を受ける可能性あり。 |
| 5位 | 三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471) | 約 6.05 % ダイヤモンド社+1 | 物流施設特化 | 7月/1月 | 物流施設は追い風。借入比率低めなら金利上昇耐性あり。逆に供給過剰や物流需要減速はリスク。 |
| 6位 | いちごホテルリート投資法人(3463) | 約 5.90 % ダイヤモンド社 | ホテル特化 | 7月/1月 | 観光回復で期待あり。ただ景気循環・感染症リスクなど宿泊特有の不確実性が残る。 |
| 7位 | 日本ホテル&レジデンシャル投資法人(3472) | 約 5.89 % ダイヤモンド社 | 総合(ホテル+住宅) | 11月/5月 | 複合型ゆえ分散あり。但し、ホテル部分の収益回復が遅れると全体に影響。 |
| 8位 | グローバル・ワン不動産投資法人(8958) | 約 5.85 % ダイヤモンド社 | オフィス特化 | 3月/9月 | オフィス中心。特にテナントの退去リスクや賃料下落リスクに注意。 |
| 9位 | 東海道リート投資法人(2989) | 約 5.81 % ダイヤモンド社 | 総合型 | 7月/1月 | 全国展開の総合型。分散面で優位。ただ、地域景況のズレに注意。 |
| 10位 | スターアジア不動産投資法人(3468) | 約 5.81%付近 ダイヤモンド社 | 住宅/オフィス等複合 | — | 利回りは高いが、規模がやや小さめ・流動性リスクを確認したい。 |
※利回り数値は予想値であり、将来の分配金を保証するものではありません。また、銘柄ごとの詳細な状況(借入条件・物件内容・契約賃料など)は変動するため、ご自身で最新IR・決算資料を確認することを強くおすすめします。
ケーススタディ:代表銘柄を2〜3本深掘り(なぜこの利回り・なぜ選定されたか)
ここからは、上記ランキングの中から特に「なぜこの利回りが出ているのか」「どんな環境で注目されているのか」を深掘りしていきます。初心者にもわかりやすく、背景とポテンシャル・リスクを併せて解説します。
ケース1:三井不動産ロジスティクスパーク投資法人(3471)
この銘柄が注目される理由は「物流施設特化」というテーマ性と、利回り6.05%という数字のインパクトです。物流施設はEC(電子商取引)拡大やサプライチェーン改革の流れを背景に需要が強く、日本国内でも「都市近郊+広域物流」という立地が評価されています。上記ランキングでも5位に入っており、選定基準で触れた「物件の質」「借入の健全性」「テーマ性」を備えている例といえます。
ただし、リスクもあります。物流施設が増えすぎて需給が緩む、あるいは借入金利上昇で運用コストが膨らむという懸念は常に念頭に置くべきです。また、稼働率・契約賃料の下落が起きた際は、利回り維持が困難になる可能性があります。
ケース2:産業ファンド投資法人(3249)
こちらは総合型REITで利回り6.34%とトップ水準。総合型ゆえにオフィス・商業施設・住宅など複数用途を扱っており、用途分散という点ではメリットがあります。さらに、ランキング上位ということから市場が「この利回りを出せるだけの資産・運用体制がある」と評価しているとも読み取れます。
ただ、オフィス用途では「テレワーク定着」「空室率上昇」「賃料下落」という逆風も指摘されており、用途分散とはいえ景況感に左右されやすい点に注意。利回りが高い分だけ、“何故高いか”をしっかり理解する必要があります。
ケース3:サムティ・レジデンシャル投資法人(3459)
住宅(レジデンス)特化という点で注目。利回り6.08%という数値は住宅特化ではかなり高めと言えます。居住需要・人口動態・賃貸ニーズの観点から、住宅特化型は比較的景気変動の影響を受けにくいというメリットがあります。
一方で、地域や物件のグレード次第では空室リスク・賃料下落リスクが高まる可能性。例えば人口減少地域や築年数が古い物件では賃料が下落する可能性がありますから、保有物件の情報を確認することが大切です。
利回りだけで飛びついてはいけない理由
「おっ、このREITは利回りが6%超えか。これは買いだ!」
こんなふうに数字だけを見て即断するのは、投資初心者にありがちな落とし穴です。たしかに、高利回りは投資対象として魅力的に映ります。しかし、その“高さ”には理由があり、場合によっては将来的な減配や価格下落リスクを内包しているケースもあります。
たとえば、利回りが急上昇している銘柄は、「分配金が増えたから」ではなく「投資口価格が下落しているから」高く見えている可能性があります。価格が下がる背景には、物件の収益性の悪化、借入の過多、空室率の上昇、または市場からの信頼低下といった、ネガティブな要因が潜んでいることも。
また、利回りが高い銘柄の中には、一時的に“無理して高配当を出している”ようなケースも見受けられます。たとえば、一部の収益が減っているにも関わらず、過去の水準を維持するために内部留保を取り崩して分配金を出しているようなケースです。こうした「持続性に欠ける配当」は、いずれ急な減配や評価損として跳ね返ってくるリスクを孕んでいます。
高配当の魅力は否定しません。しかし、そこに“飛びつく”のではなく、“見極める”という視点が必要なのです。
ポートフォリオへの組み込み方と実践アドバイス
REIT投資を「どのように組み込むか」は、投資成果を左右する大きなポイントです。REITは不動産に投資する金融商品ではありますが、上場しているため市場変動の影響も受ける存在。ここでは、初心者〜中級者がREITを資産運用にどう活用すべきかを、実践的に解説します。
● 資産の中での位置づけ:バランサーとしてのREIT
REITは、株式ほどのボラティリティはなく、債券よりも高い利回りを目指せる「中間資産」としての特性を持ちます。株式:債券:REIT=6:2:2など、分散効果を活かしたポートフォリオ構築に向いています。
REITは定期的な分配金が得られるため、インカムゲインを重視した投資戦略との相性が良好です。特に毎年安定収入を得たい人にとっては、心強い存在となるでしょう。
● 購入タイミングと額:分散が鍵
「一括でドンと買う」よりも、「毎月一定額を購入していく」などのドルコスト平均法の考え方が、REIT投資にも有効です。市場が上下する中でも、平均取得単価を安定させることができ、心理的な負担も軽減されます。
また、リスクの分散という観点では、「複数のREIT銘柄に分けて投資する」ことも忘れてはなりません。用途・地域・スポンサーが異なるREITを組み合わせることで、一つのREITの業績悪化が全体に与える影響を和らげることができます。
2025年以降を見据えたREITの展望と戦略

これからREITを始める人、すでに保有している人にとって、2025年以降の市場動向は無視できない要素です。では、今後の日本のREIT市場にはどのような展開が予想されるのでしょうか?
● 金利上昇とREITの関係
日本銀行は段階的な利上げに舵を切っており、2025年現在、長期金利は1.2%前後で推移しています。これは数年前のゼロ金利政策から考えると大きな変化であり、REITにとっては「借入コスト増」「不動産評価額の下落」などのネガティブ要因にもなり得ます。
一方で、REITが依然として5%前後の利回りを維持している点は、金利との相対比較において魅力的です。イールドスプレッド(REIT利回り−10年国債利回り)は約3%と、投資妙味は維持されています。
● セクター別の展望
- 物流施設REIT:依然として強い需要。ただし、供給過剰やテナントの入替による賃料調整には注意。
- 住宅REIT:長期安定型として注目。都市部の賃貸需要が支える一方、少子化による将来的な賃料下落リスクも。
- ホテルREIT:インバウンド回復が追い風。ただし景気変動に弱く、短期での価格変動リスクがある。
- オフィスREIT:やや回復基調だが、テレワーク浸透により今後の供給過多懸念も。
- データセンターREIT(海外):今後注目されるテーマ型REIT。現時点ではJ‑REITに未上場だが、ETFなどを通じて間接投資も可能。
実践チャート:高配当REIT投資を始める6ステップ
高配当REITに興味はあるけれど、何から始めればいいかわからない――そんな方に向けて、投資初心者でも迷わず行動できる「6つのステップ」を整理しました。段階的に進めれば、無理なく・無駄なく、自分に合ったREIT投資がスタートできます。
ステップ1:投資目的・時間軸を明確にする
まず最初に確認すべきは「なぜREITに投資するのか?」という目的です。
・毎年安定したインカム収入が欲しい
・長期的に資産を増やしたい
・現金の一部を分散投資したい
目的がはっきりすれば、次のステップで選ぶべき銘柄や保有期間、投資金額の判断がスムーズになります。目標利回り(例:年4.5%)など、具体的な数値を設定するのも有効です。
ステップ2:自身の資産状況・リスク許容度を整理する
投資は「自分の現状を知ること」から始まります。
手元の余裕資金はどれくらいか?
損失が出た場合、どの程度まで耐えられるか?
たとえば「総資産1,000万円のうち、100万円は中長期で使う予定がない」といったケースであれば、REIT投資に振り分ける金額の目安が見えてきます。
ステップ3:銘柄選定とスクリーニングを行う
REIT銘柄は60本以上存在し、それぞれに特性があります。
・利回りの高いもの
・住宅・物流・オフィスなど用途別のもの
・分配金が安定しているもの
証券会社のスクリーニングツールや、REIT専用情報サイト(例:JAPAN-REIT.com)などを活用し、自分の目的に合う銘柄をいくつかピックアップして比較検討しましょう。
ステップ4:購入の実行と分散の意識
投資口価格を確認したうえで、証券会社の口座からREITを購入します。
この際、「1銘柄に集中投資」せずに、「セクター・地域・スポンサーなどが異なる複数銘柄に分けて購入する」ことが重要です。
分散することで、どれか1つが不調になっても、ポートフォリオ全体でのリスクを抑えることができます。
ステップ5:定期的なモニタリングと見直し
REITは一度買って終わりではありません。定期的に以下の項目をチェックしましょう。
・分配金の実績(増減や傾向)
・稼働率や物件数の変化
・借入金利や資産評価の動向
特に決算(年2回)やIR資料の内容は、しっかり確認する習慣をつけましょう。状況によっては、保有比率を見直すことも必要です。
ステップ6:税金や再投資戦略も検討する
REITの分配金は「配当所得」扱いとなり、原則として20.315%の税金が源泉徴収されます。
・NISA口座で保有すれば非課税となる
・つみたてNISAはREIT対象外なので注意
・確定申告をすることで還付の可能性もある
また、分配金をそのまま再投資に回すことで、複利効果を活かす戦略も検討しましょう。証券会社の「自動再投資サービス」なども便利です。
まとめ&読者へのメッセージ

今回の記事では、「2025年最新版 高配当REITランキング」を軸に、初心者にもわかりやすくREITの選び方・投資の進め方を解説してきました。
この記事の要点を振り返ると:
- REITとは不動産を投資信託で保有する仕組みであり、高配当が魅力
- 2025年現在、金利上昇環境下でもなお、5〜6%台の分配利回りを誇る銘柄が存在する
- 銘柄選定では「利回りの高さだけ」ではなく、その背後にある財務状況・運用体制・資産の質をしっかり見る
- 初心者にとっては「分散投資」と「モニタリング」が最重要戦略
- 実際の投資行動は、目的→リスク確認→銘柄選定→分散購入→運用監視→税務対応の流れで行うと失敗しにくい
最後にお伝えしたいのは、「REITは知れば知るほど面白い」ということです。
株や債券だけではカバーできない“資産の第3の柱”として、REITは今後も投資家の注目を集めていくでしょう。
読者の皆さまが、安定的な収益と将来の安心を手にする一助となれば幸いです。

ファイナンス専門ライター / FP
資産運用、節税、保険、財産分与など、お金に関する幅広いテーマを扱うファイナンス専門ライター。
金融機関での勤務経験を活かし、個人投資家や経営者向けに分かりやすく実践的な情報を発信。特に、税制改正や金融商品の最新トレンドを的確に捉え、読者の資産形成に貢献することを得意とする。
